【おいしい菜時記】紅花栄(べにばなさかう)

七十二候では5/26~5/30頃 紅花栄(べにばなさかう)

あたり一面に紅花が盛んに咲く頃。紅花は古代エジプト時代から染料として利用され、日本には飛鳥時代に高句麗の僧・曇徴(どんちょう)が日本にもたらしたと言われており、生薬から染料口紅食用油など幅広く利用されたそうです。花びらの水に溶ける黄色の色素水に溶けない赤の色素から紅色がつくられ、かつて「江戸紫に京紅」とうたわれた京紅の原料も紅花だったそうです。咲き始めは鮮やかな黄色ですが、成長するにしたがって徐々に赤色が増し、茎の末端に咲く花を摘み取ることから「末摘花 (すえつむはな)」とも呼ばれ、万葉集にも登場しています。

   よそのみに見つつ恋ひなむくれなゐの末摘花の色に出でずとも『万葉集』

   紅の深染こそめの衣を下に着ば人の見らくににほひ出むかも『万葉集』

   なつかしき色ともなしに何にこの末摘花を袖にふれけむ『源氏物語 末摘花』

   人しれず思へば苦しくれなゐ末摘花すゑつむはなの色にいでなむ『古今集』

茎丈は1m近くほど。キク科ながらアザミのような棘 (トゲ) があるため、朝露を含み棘がまだ柔らかい早朝にひとつひとつ丁寧に
花びらを摘んでいくそうです。

紅餅

江戸時代、最上川の流れを利用してお米や紅花などが河口の酒田港へ集積され、それらを北前船に乗せて京都などへ輸送する際に運びやすくするために、一つひとつ摘んだ大量の花を紅花餅のかたちにして保存してたそうです。酒田は紅花で発展し、紅の美しい色は女性たちの憧れのまとだったそうです。

花を発酵・乾燥させて作る染料「紅餅」。手間ひまかかることから、幕末当時のその価値は、米の百倍、金の十倍という貴重品だったそうです。

一つひとつ手摘み

紅花のみ乾燥させたもの(最上紅花茶)

いにしえから薬膳としても

薬膳の素材としても知られ、血液をきれいにし、血液循環をよくし、身体をあたため冷えからからだを守るとされているそうですが、ただその紅色が水に溶けだしていくさまを眺めてみているだけでいにしへのタイムマシーンにのったような時間になりますよ。さぁ!北前船に乗って京都へ~♪

思わず覗き込みたくなる
しあわせをよぶ黄金色
いにしへのタイムマシーンへようこそ
口福の一杯

いにしえに想いを馳せながらの一杯を是非。

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